トルクラチェットレンチ

歯科インプラントラチェットトルクレンチは、インプラント治療において、アバットメントやスクリューを所定のトルクで確実に締結・除去するための歯科用器具です。手動で使える構造により、電動モーターが使えない場面や最終締付時の細かい調整に適しています。

【インプラントラチェットトルクレンチ主な用途】
インプラント体へのアバットメントの装着
補綴物のスクリュー固定（スクリューリテイン方式）
ヒーリングアバットメントやマルチユニットの着脱操作
メーカー指定トルク値に基づく確実な締付
電動機器では難しい微調整や最終確認操作

【分類（タイプ別）】
固定トルク式：設定トルクに特化（例：30Ncm 固定）
可変トルク式：10～50Ncmなど範囲内で調整可能
インプラントブランド別適合モデル（Nobel、Straumann、Astraなど）

【作動原理】
内部にバネまたはクラッチ機構を持ち、設定トルクに達した瞬間に「カチッ」という感触とともにクリック動作を起こし、それ以上の力を加えてもトルクが伝わらない設計です。これにより術者は過剰な締付によるスクリューの破折や骨へのストレスを回避できます。また、ラチェット機構により左右方向の切り替えも容易で、狭い口腔内でも効率的な作業が可能です。

【インプラントラチェットトルクレンチ選定時のポイント】
必要なトルク範囲の確認（例：15Ncm、35Ncm など）
インプラントメーカーとの互換性（適合コネクション）
レンチのサイズ・重量・グリップのしやすさ
オートクレーブ滅菌対応かどうか