インプラントモーター

インプラントモーター(Implant motor)は、インプランター、またはインプラント用外科モーターとも呼ばれ、モーター本体・コントロールユニット・フットペダル・専用ハンドピース・注水ポンプなどで構成されています。ドリルの回転数とトルクを正確に調整できることにより、骨を過度に傷つけることなく安全にインプラント窩の形成と埋入が行えます。

【主な用途】
インプラント窩（骨孔）形成時の段階的ドリリング
インプラント体の一次固定（埋入操作）
骨造成（GBR）やサイナスリフト時の補助ドリル操作
アバットメントや補綴装置のトルク締結（トルクコントロール）
根管治療・口腔外科処置にも応用可能な多目的モード搭載モデルあり

【インプラントモーター作動原理】
インプラントモーターは、電気モーターによる回転出力を専用コントローラーで制御し、ハンドピースに伝達します。オペレーターはフットペダル操作により、回転数（rpm）とトルク（Ncm）をリアルタイムで調整しながらドリリングを行います。回転速度とトルクを高精度に制御できることで、骨質や症例に応じた適切な処置が可能となり、治療の成功率と患者の安全性を高めます。また、注水ポンプにより骨の加熱を防ぎ、手術部位の冷却と洗浄を同時に実現します。これにより、骨壊死や感染のリスクを最小限に抑えた安全な手術が可能になります。

【選定インプランター時に考慮すべきポイント】
最大・最小回転数とトルクレンジ（例：rpm 300〜40,000／5〜80Ncmなど）
ハンドピースの互換性・ライト付き可否
注水ポンプの性能・操作性（流量調整、オートストップ等）
操作パネルの表示形式と設定メモリー機能
フットコントロールの使いやすさ（複数アクション対応）
ブランドサポート（NSK、W&H、SAESHIN、Bien-Air等）

インプラントモーターは、安全・正確・効率的なインプラント治療の基盤となる機器です。症例や術者の操作スタイルに合わせて適切なスペックの製品を選ぶことが、スムーズな治療と良好な予後につながります。